04 日射熱の利用
目的
冬期に開口部から日射熱を取得し、蓄熱して夜間に利用します。
効果
暖房エネルギーを 5〜40% 程度削減できます。
省エネ手法
次の3つがあります。
手法1 開口部の断熱手法(開口部断熱性の向上)
取得した日射熱の損失を抑制する断熱性の高い開口部を選択する手法です。
開口部の熱貫流率を2.91(W/m2・K)以下として下さい。
開口部の熱貫流率を2.91(W/m2・K)以下として下さい。
手法2 開口部からの集熱手法(集熱開口部面積の増加)
集熱面となる南向きの開口部を増設する手法です。
集熱開口部(真南±30゜の方位に面する開口部)の面積を延べ面積の20%以上として下さい。
集熱開口部(真南±30゜の方位に面する開口部)の面積を延べ面積の20%以上として下さい。
手法3 蓄熱手法(蓄熱材の使用)
床・壁・天井などに蓄熱効果のある熱容量の大きい材料を使用する手法です。
蓄熱部位に120(kJ/℃・m2)程度以上の熱容量の増加が見込まれる材料を使用して下さい。
蓄熱部位に120(kJ/℃・m2)程度以上の熱容量の増加が見込まれる材料を使用して下さい。
ポイント
熱容量は次式で求められます。
熱容量(kJ/℃)=蓄熱部位の容積(m2)×蓄熱材の容積比熱(kJ/m2・℃)
容積比熱が大きいほど熱を蓄える効果が上がります。 ただし、有効厚さを超えても、その部分の蓄熱効果はあまり見込めません。
熱容量(kJ/℃)=蓄熱部位の容積(m2)×蓄熱材の容積比熱(kJ/m2・℃)
容積比熱が大きいほど熱を蓄える効果が上がります。 ただし、有効厚さを超えても、その部分の蓄熱効果はあまり見込めません。
表 主な材料の容積比熱と有効厚さ
| 材料 | 有効厚さ(m)※ | 容積比熱(kJ/m2・℃) | |
|---|---|---|---|
| コンクリート | 普通コンクリート | 0.20 | 2013 |
| 軽量コンクリート | 0.07 | 1871 | |
| 左官材料 | モルタル | 0.12 | 2306 |
| しっくい | 0.13 | 1381 | |
| プラスター | 0.07 | 2030 | |
| 壁土 | 0.17 | 1327 | |
| 木材 | マツ | 0.03 | 1624 |
| スギ | 0.03 | 0783 | |
| ヒノキ | 0.03 | 0933 | |
| ラワン | 0.04 | 1034 | |
| 合板 | 0.03 | 1113 | |
| せっこう等 | せっこうボード | 0.06 | 2306 |
| パーライトボード | 0.06 | 0820 | |
| フレキシブルボード | 0.12 | 1302 | |
| 木毛セメント板 | 0.06 | 0615 | |
| その他 | タイル | 0.12 | 2612 |
| ゴムタイル | 0.11 | 1390 | |
| リノリウム | 0.15 | 1959 | |
※材料には蓄熱部位として計上できる「有効厚さ」が設定されています。材料の容積算定時において、材料の厚さが有効厚さ以上の場合は、有効厚さまでのみを計上することができます。これは、有効厚さ以上の材料の蓄熱効果は小さいことを意味しています。熱が伝わりやすい材料ほど、有効厚さは大きくなります。
効果の達成方法の例
日射熱利用の効果は、地域の日射特性、敷地の日照条件、建物の方位によって変わります。冬期の日射量が多い太平洋側などの地域(パッシブ地域区分の「に地域」「ほ地域」※)で、日照障害が少ない敷地で、建物(集熱開口部)の方位が真南から30゜以内の場合、以下のレベルで暖房エネルギー削減の効果が見込まれます。この場合、レベル1(5%程度削減)は該当しません。
レベル0
日射熱の利用手法を採用しない場合
→ 削減効果なし
レベル2
開口部の断熱手法を採用 (手法1)
→ 10%程度 削減
レベル3
開口部の断熱手法と開口部からの集熱手法を採用 (手法1+手法2)または
開口部の断熱手法と蓄熱手法を採用 (手法1+手法3)
開口部の断熱手法と蓄熱手法を採用 (手法1+手法3)
→ 20%程度 削減
レベル4
開口部の断熱手法、開口部からの集熱手法、蓄熱手法のすべてを採用 (手法1+手法2+手法3)
→ 40%程度 削減
PSP(Passive Solar Potential)とは、1月の暖房度日(日平均外気温が18℃を下回る日について、室温18℃と当該平均外気温の差を合計した値をいう)に対する1月の平均日射量の比をいい、地域における日射利用の可能性を示しています。これにより、全国は「い地域」から「ほ地域」の5つの地域に区分されます。

図 パッシブ地域区分図(PSP区分図)
