01 自然風の利用
目的
夏期夜間や中間期に外気を取り入れ、室内を涼しく保ちます。
効果
冷房エネルギーを 10〜30% 程度削減できます。
省エネ手法
次の5つがあります。
手法1 直接的な自然風取り込み手法
卓越風を直接取り込める開口部を設置する手法です。
ポイント
建物の壁面や屋根面の風圧力差のある2箇所以上に、通風に有効な開口部を設置することが重要となります。

図a 卓越風向に対し直角な壁面の風圧係数
(周辺密集度が低い場合)

図b 卓越風向に対し45°の壁面の風圧係数
(周辺密集度が低い場合)
手法2 間接的な自然風取り込み手法
風を呼び込める袖窓や出窓等(ウィンドキャッチャー)を設置する手法です。
ポイント
卓越風が流れていく壁面であっても、卓越風に面するフェンス、袖壁、植栽等を設置して風を呼び込むことができます。袖壁等は風下寄りに設けることで、効果が得られやすくなります。

図a 袖壁を設置しない場合(通風量20%程度)

図b 袖壁を設置した場合(通風量50%程度)
手法3 屋根面を利用した自然風取り込み手法
屋根面の風圧係数が負になる部分に天窓や頂側窓等を設けて通風を確保する手法です。
ポイント
屋根勾配が3寸5分程度以下の場合、屋根面は負圧となり、天窓は空気の流出口となります。

図a 屋根勾配15°(2寸7分)

図b 屋根勾配25°(4寸7分)
手法4 温度差換気の利用手法
室内と屋外の温度差を用いた換気を行うために、高所に排気用窓等を設置する手法です。
ポイント
外気温度が低下して室内外の温度差が生じれば、風がない場合でも高所の開口部から暖められた室内空気が排出されます。

図 岩手県立大学の排気用開口部の例
手法5 室内通風性能向上手法
引戸や欄間等を採用することにより、住宅内の通風経路を確保する手法です。
ポイント
夜間時に開放できる窓と欄間を設けた場合、10回程度の換気回数を確保でき、十分な通風効果が得られます。

図 建具の開閉状態の違いによる換気回数(密集住宅地の場合)
効果の達成方法の例
自然風の利用が容易な郊外型の敷地の場合、3段階のレベルで冷房エネルギー削減の効果が見込まれます。
レベル0
自然風利用手法を採用しない場合
→ 削減効果 なし
レベル1
直接的な取り込み手法と室内通風性能向上手法を採用 (手法1+手法5)
→ 10%程度 削減
レベル2
直接的な取り込み手法、間接的な取り込み手法、室内通風性能向上手法を採用 (手法1+手法2+手法5)
→ 20%程度 削減
レベル3
すべての手法を採用 (手法1+手法2+手法3+手法4+手法5)
→ 30%程度 削減
トピックス
外構計画による空気温度の調節について
風上側に植栽や池を配置できれば、室内に流入する空気の温度が下がり、快適な風として利用できます。

図a 流入空気の温度が上がる外構計画の例

図b 流入空気の温度が下がる外構計画の例
