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日射熱の利用

日射熱の利用イメージ

目的

冬期に開口部から日射熱を取得し、暖房に利用します。

効果

暖房エネルギーを 5~30%程度削減できます。

省エネ手法

次の3つがあります。

手法1:窓付属部材による日射熱取得への影響をなくす

暖房期に日射熱を最大限に取り込むためには、日射熱を取得する開口部に窓付属部材をなくすことや、開口部を南側に多く集めるなど集熱量を増やすような平面・開口部計画とすることが必要です。

手法2:蓄熱容量を調整する

蓄熱は室温を安定して保つのに効果のある技術で、日中は熱を吸収して室内のオーバーヒートを防ぎ、夜間は吸収して蓄えた熱を放出して室温の低下を防ぎます。蓄熱に有効な建築部位の対象には、床、外壁、間仕切り壁、天井があげられます。

手法3:暖房期の日射熱取得量を大きくする

開口部面積を大きくすることや日射熱取得型のガラス仕様にすると効果があります。開口部まわりの設計の工夫で、住宅全体の暖房期の日射取得係数(μH)を大きくすると効果があります。

star ポイント

日射の取得・利用は冬期の暖房効果を得る技術ですが、夏期の日射をどのように遮蔽するかも同時に検討する必要があります。夏期は外付けブラインドを閉めたり、葦簀をつけるなど、季節に応じた開口部のしつらえができるような工夫が求められます。(日射遮蔽については日射遮蔽手法を参照して下さい)

表 主な材料の容積比熱と有効厚さ

材  料 有効厚さ

[m]

容積比熱

[KJ/(㎥・K)]

セメント

コンクリート

れんが

セメント・モルタル 0.23 1600
コンクリート 0.20 2000
軽量コンクリート(軽量1種) 0.11 1900
軽量コンクリート(軽量2種) 0.08 1600
軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル) 0.07 660
押出成形セメント板 0.05 2100
れんが 0.11 1499
漆喰 0.13 1400
土壁 0.16 1100
せっこう せっこうボード 0.07 830
せっこうプラスター 0.09 1600
木材 マツ 0.03 1624
スギ 0.03 783
ヒノキ 0.03 933
ラワン 0.04 1034
天然木材(上記以外) 0.06 520
合板 0.06 720
ハードファイバーボード(ハードボード) 0.03 1230
パーティクルボード 0.05 720
ボード材料 パーライトボード 0.06 820
フレキシブルボード 0.12 1302
木毛セメント板 0.06 615
床材 畳床 0.13 290
タイル 0.16 2000
ビニル系床材 0.03 1500
ゴムタイル 0.11 1390
リノリウム 0.15 1959

※材料には蓄熱部位として計上できる「有効厚さ」が設定されています。材料の容積算定時において、材料の厚さが有効厚さ以上の場合は、有効厚さまでのみを計上することができます。これは、有効厚さ以上の材料の蓄熱効果は小さいことを意味しています。熱が伝わりやすい材料ほど、有効厚さは大きくなります。

効果の達成方法の例

4段階のレベルで暖房エネルギーの削減の効果が見込まれます。

レベル0 暖房エネルギー削減
→ 削減効果 なし
レベル1 暖房エネルギー削減率
→ 5%程度 削減
レベル2 暖房エネルギー削減率
→ 10%程度 削減
レベル3 暖房エネルギー削減率
→ 20%程度 削減
レベル4 暖房エネルギー削減率
→ 30%程度 削減

トピックス:暖房期の日射取得係数について

  • レベルの決定は、暖房期の日射取得係数(μH)、建設地域の気候特性(暖房期日射量地域区分(H区分))、立地条件(隣棟遮蔽係数)、建物の熱損失係数(Q値)、建物の方位(集熱面となる開口部の方位)、採用する日射熱利用手法、および暖房方式の組み合せにより達成することができます。
  • μHは、暖房期に天井・屋根、壁および開口部を通じて建物内部に侵入する日射熱の合計を床面積の合計で除した値(床面積1㎡あたりの日射熱)の、屋外の1㎡の水平面に入射する日射熱Joに対する比率として定義されます。つまり、暖房期の日射取得係数が0.10ということは、その建物の床面積1㎡当たりの日射取得量が、屋外の遮るもののない1㎡の土地に入射する日射量の10%に当たることを意味します。