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断熱・遮熱・気密改修

概要

ガイドラインは、在来軸組木造による一般的な戸建住宅を想定し、それに適用しやすい16の断熱・遮熱・気密に関する手法を取り上げました。
改修手法の一覧は表2を参照してください。

ここでは、16の手法の内、3つの代表的な工法「手法4:小屋裏吹込断熱工法」「手法9:床下充填断熱工法」「手法14:アタッチメント工法」の概要を紹介します。

改修手法一覧

表2:改修手法一覧

施工手順の解説のページサンプル

図7:施工手順の解説のページサンプル

手法4

工法の概要

  • 主に夏期の小屋裏にこもった熱気が室内に与える「焼け込み現象」を解消する、住まいながらの改修が可能な断熱改修工法
  • 夏期の冷房効率が改善されると共に、冬期の暖房対策としても効果がある
  • 押入れ等の天井から小屋裏に入り、バラ状断熱材を天井裏に吹き込む。専門の施工業者による工事となる
  • バラ状の断熱材は、小屋裏の細部まで行渡り密実に充填できるため、改修の施工に向いている
  • 解体等を伴わないため半日~1日ほどで工事を完了できる使用材料

改善効果

  • 夏期の小屋裏からの「焼け込み現象」が解消される
  • 天井面の気密性が向上する

施工手順の解説

施工手順の解説1

1.
・断熱材の吹込み用機材を搭載した専用のトラック
・この車輌から専用ホースで小屋裏まで吹込み用グラスウールを送る
・2tトラック程度の駐車スペースの確保が必要

施工手順の解説2

2.
・バラ状グラスウールがこぼれないよう、カットした断熱材で間仕切上部を塞ぐ
・外壁回りは、桁の高さまで既存の断熱材が上がっている場合、こぼれ止めの施工を省略できる

施工手順の解説3

3.
・目盛を目安にして吹込みを開始する
・1人が小屋裏で吹込み作業を行い、他の1人が吹込み用グラスウールを機械に順じ投入する

手法9

工法の概要

  • 冬の底冷えや床面の接触温度環境を改善する、住まいながらの改修が可能な断熱改修工法
  • 施工は、既存の床に手を加えることなく、和室床やキッチン等の床下収納庫から床下に入り行う
  • 断熱材は、床下から根太間に充填し、受け材を設置して固定する
  • 施工の難易度は、床下の基礎から大引き下端までの高さによって変わる。450mmくらいの高さがあると比較的容易に施工可能だが、床下空間での作業に慣れが必要

改善効果

  • 1階床面の接触温度が向上する
  • 1階室内の上下温度差が小さくなる

施工手順の解説

施工手順の解説1

1.
・始めに、充填する根太間の寸法を採寸する。寸法と箇所数をメモする
・床下が土敷きの場合は、養生シートを全面敷き込むと、作業性が良くなる

施工手順の解説2

2.
・採寸した寸法に断熱材をカットする。ボードタイプのグラスウールは、カッターで容易に切断できる

施工手順の解説3

3.
・根太間への断熱材の挿入は、定尺の場所から開始する
・始めに片側の切欠き部分を大引き上に押込み、次に中央部を少し折り曲げるようにして、反対側も同様に押込む。最後に中央部を押上げ充填する

施工手順の解説4

4.
・落下防止措置を施す
・断熱材中央部に、荷造りなどに用いられるプラスチックのバンド(PPバンド)をタッカーで1列固定する

手法14

工法の概要

  • 冬期の窓回りからのコールドドラフトや隙間風を改善する断熱・気密改修工法で、住まいながらの改修が可能
  • 施工は、既存のサッシに手を加えず、室内側の額縁や床に対して建具(サッシ)を追加設置する
  • 室内側からの作業で一ヶ所の標準的な施工時間は1~2時間程度で完了する

改善効果

  • 窓面からのコールドドラフトが抑えられると同時に、窓回りの気密性が向上する
  • 窓面の結露が減少する
  • 防音性能が高まる

施工手順の解説

施工手順の解説1

1.
・内窓を取り付ける場所の開口寸法を測る
・設置箇所のスペース、強度を確認し、施工後の安全性を確保する
・その際、下記の内容に留意する額縁工事の必要性追加工事(額縁の補強など)の有無搬入時の障害物のチェック

施工手順の解説2

2.
・増枠はビスで固定することが多いので、既存の額縁にビス打ち出来ることが前提条件である
・増枠は、各社が用意しているものを使用しても良いし、造作工事で別途用意することも可能

施工手順の解説3

3.
・枠の固定は、各社所定の方法に従って行う
・額縁との間に隙間ができないように確実に固定する

施工手順の解説4

4.
・障子を吊り込み、障子や枠の調整を行う
・枠と障子の間に隙間が無いことを確認する
・クレセントがある場合は、かかり具合の確認を行う

断熱改修に伴う注意事項

断熱改修によって気密性能が向上すると、同時に室内湿度が上昇し、結露を発生する可能性があります。この問題は加湿する開放型暖房設備の使用を控えることや、生活習慣の改善、換気システムの導入などによって緩和することができます。木部の劣化やカビ発生の原因となる結露の防止の観点から十分注意する必要があります。

実験住宅における断熱改修工事後の絶対湿度の変動

グラフは、室内は朝方と夕方に暖房運転を行い、相対湿度を50%程度に維持した時に、外壁の断熱材外気側の値が、防湿層の外側にもかかわらず、外気よりも室内の変動パターンに近いことが読み取れます。その原因は、通気止めや断熱材の施工によって、壁内空隙の隙間性状や空気移動の経路が変化し、壁体内の湿度が上昇したことを示しています。

実験住宅における断熱改修工事後の絶対湿度変化

図 実験住宅における断熱改修工事後の絶対湿度変化