活かしてください
© 2017 自立循環型住宅開発委員会
メニュー
省エネルギー改修の手順
省エネルギー改修のフロー
省エネルギー改修を実施する際の一連の流れを図4に示します。フロー図は、事前診断から始まり、改修計画、改修工事、そして事後検証へと一連のプロセスを下記の7つの段階に分けて整理しています
- 事前の調査・診断(プレデザイン)
I 与条件・要求条件の把握 → II 建物の診断 - 計画・設計(デザイン)
III 改修目標・方針の設定 → IV 改修計画 → V 改修効果の予測 → VI 改修工事の実施 - 事後検証(ポストデザイン)
VII 事後検証の実施

図4:省エネルギー改修のフロー
事前調査・診断、改修目標・方針の設定
与条件・要求条件の把握と建物診断
省エネルギー改修では、先ず始めに計画の与条件・要求条件の把握を行います。そのために、必ず居住者へヒヤリング等による調査を実施します。
また、併せて建物の現状を把握する建物診断を実施し、それらの結果を踏まえて改修目標・方針の検討に繋げてゆきます。
- 居住者のライフスタイルや省エネ改修以外の要望、改修履歴等をヒヤリングによって確認します。
- 断熱・気密性能の要となる躯体の現況(劣化・腐朽等)、断熱材の施工状況を確認します。
- その他、敷地の自然エネルギー利用の可能性を調査します。

図5:天井建物診断の様子
断熱材が使用され始めた頃は、居室に対する施工が中心でした。非居室部分には、充填されていない場合も多く見られます。

サーモグラフィーを用いれば、改修前は壁面に比べ床面の温度が低いことが一目瞭然でわかります(左図)。一方、改修後は温度分布が緩和されており(中央図)、断熱改修の効果を居住者に説明するうえでも役立つと考えられます。
改修目標・方針の設定
居住者に対するヒヤリングから得られた要望や建物診断によって明らかとなった断熱材の施工状況から、改修目標や方針を検討します。
躯体に関わる省エネ改修であれば、まず無断熱の部位を断熱化することが基本です。改修の目標性能に応じて改修部位の優先順位(改修規模)を検討します。また、設備に関連する改修の要望があれば同時に検討し、効果的な省エネルギー改修を実施します。
省エネルギー改修手法の選択
改修規模の比較
- 改修規模は、目標とする性能や居住者の要望により様々です。それぞれの規模毎に長所と短所があります。
- 改修規模の検討に併せて、改修部位や手法の組合せを検討します。

表1:改修規模の比較