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日射遮蔽手法
目的
夏期や中間期に室内に侵入する日射を遮り、冷房エネルギーの削減と快適性の向上を実現することを目的とします。
効果
冷房エネルギーを 20~40%程度削減できます。(居室間歇冷房の場合)
省エネ手法
次の4つがあります。
手法1:開口部の日射遮蔽手法
日射遮蔽に効果のある窓を選択し、日射遮蔽部材(カーテン、ブラインドなど)や庇等を設置する手法です。
ガラスの種類と日射遮蔽効果
ガラスの種類により日射熱取得率は異なります。

図 日射遮蔽型Low-E複層ガラス
表 ガラスの種類と特性
ガラスの種類 | 特性 | 効果 |
単板ガラス | 最も一般的な透明の平板ガラスで日射をほとんど透過する |
小 |
複層ガラス | 2枚の板ガラスの間に乾燥空気を封入することで断熱性を高めたガラスであるが、日射のほとんどを透過する |
小 |
日射取得型
Low-E複層ガラス |
室内側のガラスに断熱性と保温効果に優れた特殊金属Low-E膜をコーティングした複層ガラスで、やや日射遮蔽効果がある |
小~中 |
日射遮蔽型
Low-E複層ガラス |
室外側のガラスに遮熱性と断熱性に優れた特殊金属Low-E膜をコーティングした複層ガラスで、日射遮蔽効果がある |
中 |
ブラインド内蔵
複層ガラス |
複層ガラスの中空層にブラインドを組み込んだガラス。高い断熱効果とともに、ブラインドの開閉によって、光のコントロール効果も併せもっており日射遮蔽にも有効である |
中~大 |
日射遮蔽部材の日射熱取得率
日射遮蔽部材の設置位置(屋外・屋内)や種類により 日射熱取得率は異なります。
外付け部材の方が、日射遮蔽効果は大きくなります。

図 窓の日射遮蔽性能の比較

日射遮蔽部材なし

内付け日射遮蔽部材
(カーテン)

外付け日射遮蔽部材
(すだれ)

外付け日射遮蔽部材
(ブラインド)
図 開口部の日射遮蔽部材の有無・位置による効果の違い
庇等の日射遮蔽効果
庇や軒などは、日射遮蔽に有効な形状とする必要があります。庇等の設置方位により日射遮蔽効果は異なります。
太陽高度の低い東西面の開口部では、庇のみでは南面ほどは日射遮蔽効果が期待できませんので、日射遮蔽部材を設置するなど他の手法との併用が有効です。

図 日射遮蔽に有効な庇等の定義

図 庇等による効果のイメージ(南面・東京)
手法2:屋根の日射遮蔽手法
小屋裏換気量を大きく取ったり、屋根に通気層を設ける手法です。
手法3:外壁の日射遮蔽手法
外壁に通気層を設けたり、反射率の高い外装材を使用する手法です。
手法4:その他の日射遮蔽手法
地表などの照返し防止や、庭木を利用した日射遮蔽手法です。
効果の達成方法の例
2段階のレベルで冷房エネルギーの削減の効果が見込まれます。(居室間歇冷房の場合)
レベル0 | 冷房期の日射熱取得係数(μc) 0.10程度 → 削減効果 なし |
---|---|
レベル1 | 冷房期の日射熱取得係数(μc) 0.07程度 → 20%程度 削減 |
レベル2 | 冷房期の日射熱取得係数(μc) 0.04程度 → 40%程度 削減 |
トピックス : 冷房期の日射取得係数について
- レベルの決定は、冷房期の日射取得係数(μc)によって行います。μcは、天井・屋根、壁及び開口部を通じて建物内部に侵入する日射熱の合計を床面積の合計で割った値(床面積1㎡あたりの日射熱)の、屋外の1㎡の水平面に入射する日射熱Joに対する比率として定義されます。つまり、冷房期の日射取得係数が0.10ということは、その建物の床面積1㎡当たりの日射取得量が、屋外の遮るもののない1㎡の土地に入射する日射量の10%に当たることを意味します。
- なお、平成25年省エネルギー基準において外皮の日射遮蔽性能の評価指標となっている冷房期の平均日射熱取得率(ηA又はηC)は、建物の床面積の合計の代わりに天井、屋根、壁及び開口部の面積の合計で割った値です。すなわち、μCとηA(又はηC)及び単位日射強度当たりの冷房期の日射熱取得量(mC)の関係は下記となります。

図 μCとηA、mCの関係