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暖冷房設備計画
目的
高効率な暖冷房システム・機器を選定、設計します。
効果
- エアコン暖冷房の場合
暖冷房エネルギーを 20~40%程度削減できます。 - 温水式床暖房+エアコン暖冷房の場合
暖冷房エネルギーを 15~25%程度削減できます。 - セントラル暖冷房の場合
暖冷房エネルギーを 15~20%程度削減できます。
省エネ手法
次の2つがあります。(温水式床暖房+エアコン暖冷房の場合)
手法1:適切な暖冷房能力を持つ高効率機器の選択手法
適切なエネルギー消費効率(COP)のエアコンを採用する手法です。
暖冷房機器選定の目安となる能力[単位:kW]
断熱レベル | 6畳間 (9.72m2) |
8畳間 (12.96m2) |
10畳間 (16.2m2) |
15畳間 (24.3m2) |
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暖房能力 | 冷房能力 | 暖房能力 | 冷房能力 | 暖房能力 | 冷房能力 | 暖房能力 | 冷房能力 | |
レベル1 | 2.5 | 1.5 | 3.2 | 2.2 | 4.0 | 2.7 | 6.0 | 4.0 |
レベル2 | 1.5 | 1.0 | 2.6 | 1.8 | 3.2 | 2.3 | 4.8 | 3.4 |
レベル3 | 1.0 | 1.0 | 2.0 | 1.4 | 2.4 | 1.7 | 3.6 | 2.6 |
レベル4 | 1.0 | 1.0 | 2.0 | 1.4 | 2.4 | 1.7 | 3.6 | 2.6 |
※断熱レベルについては「断熱外皮計画」を参照して下さい
ポイント
部屋の負荷に適した出力を持つ機器を選定することが大切です。必要以上の出力を有する機器の使用は、エネルギー消費の効率を落とす結果になります。
手法2:温水式床暖房の省エネルギー設計手法
温水式床暖房の床温水パネルと床構造材間の断熱化、配管の保温、配管長の最短化を行う手法です。

図a 床下断熱・配管保温による熱損失

図b 床下断熱・配管保温による熱損失
設置条件
- 床暖房の設置箇所:戸建て住宅の1F部分の居間・食事室(床面積22m2 )
- 床暖房の敷設率:70%(床暖房面積15m2)
- 配管長:7.8m(床下を通す)
- 室気温:20℃、外気温:0℃、配管の通る床下気温:10℃
- 往き水温:サヤ管55℃・ペアチューブ60℃、還り水温:50℃
ポイント
床下の断熱と配管の保温を講じることで、床下や配管からの熱損失が減り、効率よく熱を利用できます。
効果の達成方法の例
温水式床暖房+エアコン暖冷房の場合、3段階のレベルで暖冷房エネルギー削減の効果が見込まれます。
レベル0 | ガス給湯機等を用いた通常の温水式床暖房+COP4.0未満のエアコン → 削減効果 なし |
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レベル1 | 床下・配管断熱を施した温水式床暖房+COP4.0以上のエアコン → 15%程度 削減 |
レベル2 | 床下・配管断熱を施した温水式床暖房+COP5.0以上のエアコン → 20%程度 削減 |
レベル3 | 床下・配管断熱を施した温水式床暖房+COP6.0以上のエアコン → 25%程度 削減 |
トピックス : ホットカーペットの消費電力について
ホットカーペットは、主に足下の冷えの解消や、室全体を暖めるほどではない場合の補助的な暖房として使用されます。
その消費電力は、1995年以前頃のエアコンに比べて少なく、省エネといえましたが、最近の高効率なエアコンを用いれば、ホットカーペットと同程度の電力消費量で室全体を暖めることができる場合もあります。

図 エアコン(新旧)とホットカーペットの消費電力の比較例
実測条件
東京における集合住宅住戸の居間+和室の続き間(約22畳)の東西壁面に壁掛エアコン4kW形2台(1995年製と2003年製)とホットカーペット(2 畳用)消費電力610Wを設置して実測。測定は2月の夜間~朝に実施。ホットカーペットはエアコンと併用して運転した場合、2台のエアコンはそれぞれ単独で運転した場合である。