06 断熱外皮計画
目的
室内と室外の境界における熱の出入りを抑制し、暖房設備の依存率を減らして室温を確保します。
効果
部分間欠暖房の場合暖房エネルギーを 20〜55% 程度削減 できます。
全館連続暖房の場合
暖房エネルギーを 40〜70% 程度削減 できます。
省エネのための検討事項
断熱化を適切に行うために次の事項を検討します。
検討事項1断熱計画の検討
各部位の断熱方法、断熱性能の配分について検討します。
ポイント
木造住宅の断熱方法は充填断熱と外張断熱に大別されます。住宅の部位ごとに適した方法を選択することが大切です。
表 木造住宅の断熱方法
| 建物部位 | 断熱部位 | 断熱方法 |
|---|---|---|
| 建物上部(屋根まわり) | 天井断熱 | 充填断熱 外張断熱(桁上断熱) |
| 屋根断熱 | 充填断熱 外張断熱 併用断熱(充填+付加断熱) |
|
| 外壁 | 外壁断熱 | 充填断熱 外張断熱 併用断熱(充填+付加断熱) |
| 建物下部(床まわり) | 床断熱 | 充填断熱 |
| 基礎断熱 | 外張断熱(基礎の外側または内側) | |
| 土間床断熱(玄関土間等) |
ポイント
断熱計画手法には、各部位の断熱性のバランスを考慮した<部位バランス型>と、部位によって断熱性の強化・低減を考慮した<部位強化型>があります。住宅の構法によって適した手法を採用することが大切です。

図 断熱計画手法(部位への配分方法)
検討事項2断熱技術の検討
躯体および開口部の断熱技術、工法について具体的に検討します。
ポイント
室内の水分が躯体内に浸入して起こる内部結露を防ぐために、室内側には連続して防湿層(防湿フィルム)を設置することが必要となります。(ただし、湿気容量の大きな土塗壁などを断熱材の内側に配した外壁では、防湿層の設置を省略できます。)

図 断熱層の基本構成
ポイント
構造体内の乾燥を促進させるため、外壁通気層、床下換気、小屋裏換気などを設け、断熱材の外側を外気に開放させます。

床下断熱・天井断熱

基礎断熱・屋根断熱
図 断熱材外側における換気・通気措置
ポイント
壁内通気が生じると断熱性能の低下や湿害を引き起こすおそれがあります。そのため、外壁と間仕切り壁の上下端には通気止め材を設置することが必要になります(充填断熱の場合)。

図a 浅木による通気止めの例

図b 防湿フィルムと押さえ材による通気止めの例
ポイント
断熱材は、周囲の木枠との間に隙間が生じないように注意して施工します。防湿フィルム付き断熱材では、耳幅の大きな付属防湿層付き断熱材の使用が奨められます。

図a 耳幅の大きな防湿フィルム付き袋入断熱材

図b 外壁の防湿層付き断熱材の施工
効果の達成方法の例
部分間欠暖房の場合、4段階のレベルで暖房エネルギー削減の効果が見込まれます。
レベル0
熱損失係数5.2W/m²K以下(昭和55年省エネルギー基準相当の断熱水準)
→ 削減効果 なし
レベル1
熱損失係数4.2W/m²K以下(平成4年省エネルギー基準相当の断熱水準)
→ 20%程度削減
レベル2
熱損失係数3.3W/m²K以下(平成11年省エネルギー基準と平成4年省エネルギー基準の中間相当の断熱水準)
→ 35%程度削減
レベル3
熱損失係数2.7W/m²K以下(平成11年省エネルギー基準相当の断熱水準)
→ 45%程度削減
レベル4
熱損失係数2.1W/m²K以下(平成11年省エネルギー基準を超える断熱水準)
→ 55%程度削減
トピックス
断熱水準ごとの自然室温の違いについて
非暖房室でも、断熱水準が上がるほど外気温に対して高い自然室温(暖冷房設備を使わないときの室温)を維持できます。

図 断熱水準と自然室温の関係
体感温度について
居住空間における体感温度は、一般に窓・壁・床等の表面温度と室温の平均と考えられます。高い断熱水準の住宅では表面温度が室温に近づくので、低い設定室温でも体感温度の向上をもたらします。

図 室温・表面温度と体感温度
