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省エネルギー改修事例の紹介

改修事例の概要

省エネルギー改修事例の紹介では、外装や間取りの変更といった解体を伴う大掛かりな改修から、解体は行わず住まいながら実施した簡易な改修、新しい建材を用いた実験的な改修など、様々な改修手法を組み合わせて実施された6つの改修事例を紹介します。それぞれの事例では、居住者への事前ヒアリングや、建物の診断結果等の改修条件の把握、断熱改修の施工状況、改修後のヒアリングと気密性能・断熱性能等の事後検証の結果を整理しました。

改修事例で紹介する事例概要、部位別改修手法、性能一覧

図13:改修事例で紹介する事例概要、部位別改修手法、性能一覧

住まいながら実施した省エネ改修事例

ここでは、その一つとして築24年の在来軸組み木造住宅(事例No1)の解体を伴わない軽微な改修事例の概要を紹介します。

改修条件の把握と建物診断

改修前の与条件の把握として実施したヒアリングでは、冬季の1階(特に床と窓周辺)が冷えるとのことでした。また、断熱材の施工状況を確認したところ、天井と外壁にグラスウール10K、t=50mmが施工されていましたが、床下は無断熱でした。(図15) ただし、天井裏の物入れとトイレ上部に断熱材の欠損がありました。

改修目標の設定と改修手法の選択

改修物件の外観

図14:改修物件の外観

以上の事前診断から、改修範囲を天井、床、窓とし、解体を伴わない工法(天井:グラスウールのブローイング、床:床下からのグラスウールの充填、窓:アタッチメントによるペアガラス化、壁上下端部:気流止め)によってH4年基準以上(Q値:4.2W/m2K以下)の性能値を目指しました。

改修前後の矩計図

図15:改修前後の矩計図

天井での施工状況

図16:天井での施工状況

改修後の事後検証結果

改修後、気密測定と熱損失係数の測定を実施したところ、改修前に11.8(cm2/m2)であった相当隙間面積は、改修により約半分の5.6(cm2/m2)、改修前に5.5[W/m2K]であった熱損失係数は、改修により3.3[W/m2K]となり、目標を大きく上まわる断熱性能を得ることができました。

課題

ただし、熱画像を用い改修部位を確認したところ、一部の壁と床の取合いにおいて床下空気の侵入によると思われる局所的な温度低下がみられました(図17)。これは、根太と土台の位置関係により手の届きにくい場所であったため、隙間なく気流止めを設置することができなかったことが原因であると考えられます。こうした断熱欠損を防ぐためには、現場発泡断熱材(スプレー缶タイプ)などの併用や根太組を考慮した施工法の検討が不可欠であることが分かりました。

改修前後の熱画像

図17:改修前後の熱画像