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省エネルギー効果の推計

手順1:要素技術の目標レベルを設定

各要素技術の省エネルギー効果は、対策の手厚さの違いにより、幾つかのレベルに整理されています。設計内容にしたがい目標のレベルを設定します。

表1 要素技術の省エネ効果レベル(部分間欠暖冷房の場合)緑字=推計例
エネルギー
用途
エネルギー
基準値
要素技術 エネルギー消費率(基準値を1.0とした場合)
レベル0 レベル1 レベル2 レベル3 レベル4
※推計例では、表の緑字を目標としています。レベル0は基準値の水準、レベル1以上は自立循環型住宅に適した設計内容の水準を意味します。表では、省エネルギー効果をエネルギー消費率(基準値を1.0とした場合のエネルギー消費量の割合)で示しています。
暖房 12.8GJ 断熱外皮計画 1.0 0.8 0.65 0.55 0.45
日射熱の利用(断熱外皮レベル3以上が条件) 1.0 0.95 0.9 0.8 0.6
暖冷房設備計画
(暖房)
エアコン 1.0 0.8 0.7 0.6
温水式床暖房+エアコン 1.0 0.85 0.8 0.75
冷房 2.4GJ 自然風の利用 1.0 0.9 0.8 0.7
日射遮蔽手法 主開口面南向き 1.0 0.85 0.7 0.55
南東または南西向き 1.3 0.8 0.75 0.65
東または西向き 1.1 0.8 0.75 0.65
暖冷房設備計画(冷房) エアコン 1.0 0.8 0.7 0.6
換気 4.7GJ 換気設備計画 1.0 0.7 0.6 0.4
給湯 24.5GJ 太陽熱給湯・給湯設備計画 1.0 0.9 0.8 0.7 0.5
照明 10.7GJ 昼光利用 1.0 0.97
~0.98
0.95 0.9
照明設備計画 1.0 0.7 0.6 0.5
家電 23.7GJ 高効率家電機器の導入 1.0 0.8 0.6
調理 4.4GJ 1.0
合計 83.2GJ
電力 太陽光発電 削減
無し
29.3GJ
削減
39.1GJ
削減

手順2:エネルギー削減率を推計

各エネルギー用途の基準値に、手順1で設定したレベルにより定まるエネルギー消費率を掛け合わせて、エネルギー消費量と削減率を求めます。次いで、各用途の算定値を累計して、全体の消費量と削減率を算出します。

表2 エネルギー削減率の推計
エネルギー用途 算定式 設計値 基準値 削減率
※推計例では、エネルギー削減率が約47%になりました。
暖房 12.8 × ( 0.55 × 0.9 × 0.6 3.8 GJ 12.8 GJ ▲ 70%
冷房 2.4 × ( 0.8 × 0.55 × 0.6 0.6 GJ 2.4 GJ ▲ 75%
換気 4.7 × 0.6 2.8 GJ 4.7 GJ ▲ 40%
給湯 24.5 × 0.5 12.3 GJ 24.5 GJ ▲ 50%
照明 10.7 × ( 0.95 × 0.6 6.1 GJ 10.7 GJ ▲ 43%
家電 23.7 × 0.6 14.2 GJ 23.7 GJ ▲ 40%
調理 4.4 GJ 4.4 GJ 0
合計 44.2 GJ 83.2 GJ ▲ 47%
電力 太陽電池による発電量(29.3GJ 39.1GJ) -0 GJ  
総計 44.2 GJ 83.2 GJ ▲ 47%

手順3:目標レベルの実現可能性の検討

目標のレベルを実現できるかどうか検討を行います。
各レベルを達成するための手法の適用方法を定めていますので、コストや技術面の検討を行います。
実現が困難な場合は、目標レベルの見直しを検討します。

各レベルの達成方法は「自立循環型住宅への設計ガイドライン」で詳細に解説しています。
推計例で選択したレベルは、次の対策により達成できます。

要素技術 選択レベル 対策
断熱外皮計画 レベル3 平成11年省エネルギー基準に準じた断熱性能
日射熱の利用 レベル2 冬至5時間日照南面条件で、2つの手法(断熱・集熱)を採用
暖冷房設備計画 レベル3 エアコンCOP6以上(暖冷房とも)
自然風の利用 レベル2 自然風利用が容易な立地で、3つの手法(直接取込み・間接取込み・室内通風性能向上)を採用
日射遮蔽手法 レベル3 開口部の日射侵入率0.3 以下(真北のみ0.55 以下)
換気設備計画 レベル2 熱交換なし第一種ダクト式換気で、2つの手法(ダクト式システム適正化、高効率機器導入)を採用
給湯設備計画 レベル4 太陽熱給湯システム(真空管貯湯式)+節湯器具・浴槽断熱
昼光利用 レベル2 採光条件のよい立地で、全居室2面採光
照明設備計画 レベル2 2つの手法(機器、運転・制御)を採用
高効率家電 レベル2 主要な家電に省電力、低待機電力型製品を導入
参考:コストの試算結果

表1・2の推計例に基づき、具体的な住宅プランをもとにコストを試算したところ、一般的な住宅と比較して次の結果となりました(下表)。
この場合、イニシャルコスト増加分のランニングコスト削減による回収年数(単純償却年数)は約18.7年となります。

  • イニシャルコスト 増加額 約162万7千円
  • イニシャルコスト 削減額  約8万7千円
  • 回収年数(単純償却年数) 約18.7年
イニシャルコスト増額 年間ランニングコスト減額
※イニシャルコストは平成16年12月現在の定価ベース、ランニングコストは関東地区における電力会社、ガス会社の料金計算体系などに基づき算出しました。
※エアコンや家電機器はオープン価格でありイニシャルコストに含んでいません。
暖房 +741千円(断熱のみ) -17.7千円/年
換気 +92千円 -4.2千円/年
給湯 +726千円 -32.5千円/年
照明 +68千円 -10.2千円/年
家電 -22.0千円/年